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トリダモノ氏×NOCO氏対談



KT model+:――お互いのデザインやイラストについて“ここが魅力”と感じているポイントはありますか?


トリダモノ:NOCOさんは線がすごく上手だと思っています。僕は線画が苦手なんですが、NOCOさんはすごく丁寧かつ繊細な線を描かれています。
また、イラスト全体の色使いも素晴らしいですし、先ほどポーズ付けのお話があったように、パッと見た瞬間にすぐに伝わる、キャラクターの魅力付けが本当に上手です。


NOCO:個人的にトリダモノさんの作品は、 “量感”がすごいと思っています。たとえばライザは健康的な太ももに目がいきがちですが、そのほかすべての量感でバランスが整っていて。私たちは架空のキャラクターをデザインしているわけですが、まるでそこにキャラクターが本当にいるかのような存在感を作り出せる人だなと感じています。



KT model+:――これまでもたくさんのフィギュア監修をしてきたと思いますが、監修において意識されていることはありますか?


トリダモノ:僕は前回のインタビューで答えてしまったので、ぜひNOCOさんから聞きたいですね。


NOCO:正直、ないです(苦笑)。


トリダモノ:何もないことはないんじゃないですか!?(笑)。


NOCO:うーん……。特別に意識してやっているわけではないですが、やはりイラストの魅力をどうフィギュアに反映させるのかはいつも考えています。イラストをそのままのバランスで造形物にしても、印象がぜんぜん違って見えたりするので……。

 その“印象”をできるだけイラストに近づける作業って、じつは言葉にしにくいんですよ。とてもフワッとした指示になってしまうので、実際にそのパーツを描いて“こうしてください。”と実際にイメージ画像を用意して伝える作業を何度も繰り返したり。筋縄ではいかない、繊細な作業だとは感じています。


トリダモノ:やはりそうですよね。前回お話した通り、僕も元の絵の印象に、いかに近づけるのかが重要だと思っていて。平面のイラストが立体の造形物になるのでもちろん細かいところの違いは出てくると思いますが、その違いをどうやって元の印象に近づけるのかがいつも難しくて……。

 たとえばイラストの中では”魅力的にみせるための現実的ではない”ような表現方法もあって、それをそのまま造形物にすると違和感が出ます。そういった部分などもあわせて、フィギュアとしてどう再現してもらうかは、その都度自分の感覚に頼るしかありません。



KT model+:――前回のインタビューでトリダモノさんは、それに加えて”顔をとくに大事にしている”と仰っていましたね。


トリダモノ:そうですね。顔はやはりフィギュアの命だと思います。たとえ身体の造形がとてもよかったとしても、顔が魅力的じゃないと全体的なクオリティも下がった印象になるので……NOCOさんはどうですか?


NOCO:私も顔は重要だと思います。自分がフィギュアを買うとしても、原作やイラストなどと“顔の印象が違うな。”と感じると、欲しくなくなると思いますし。


トリダモノ:あと”色の印象”も難しいですよね。


NOCO:ありますよね。私が監修したフィギュアですと、とくにソフィーの髪色の表現が難しくて……。ソフィーの髪色は、明るくはないですが暗いわけでもありません。赤でも黒でも茶色でもない、曖昧な色です。それをフィギュアにしたときに、どうしても印象が大きく変わることが多くて。


トリダモノ:それはイラストの段階で、そういった色付けにしているんですか?


NOCO:そもそも私のイラストが、髪色が安定していないんです(苦笑)。イラストですから、シチュエーションやライティングもそれぞれ変わりますし、そのとき見える髪色もまた変わるじゃないですか。みんなの思うソフィーの髪はこれくらいかな、と思っていつも描いています。


トリダモノ:あぁ、ありますよね。光を強く当てて、髪に光沢感を付けたりしているイラストもありますし。僕は迷ったら、ゲーム中の3Dモデルのほうに合わせるようにしています。



KT model+:――イラストのフィギュア化では、イラストでは描かれていない部分も表現されていますが、そこはどのように監修しているのでしょうか?


NOCO:イラストでのみ着ている衣装をフィギュア化する場合は、新たにデザインを描き起こすこともあります。もともと設定画がある衣装やキャラクターについては、そのままのデザインでもいい感じに原型師さんが制作してくださるので、ほとんど監修するポイントはないかもしれません。


トリダモノ:そうなんですよね。本当に皆さんいい造形をしてくださるので、あとはそこを絵的にどうよく魅せられるのか考えてお伝えするくらいで、イラストで描いていなかった部分で悩んだことはないです。


NOCO:設定画からわからない部分があると原型師さんから聞かれたら伝えることもありますが、基本的にはおまかせしていますね。


トリダモノ:デザインの部分で“これで合っていますか?”みたいなことは聞かれたりしますが、僕もほとんどおまかせです。











KT model+:――これまでのフィギュア監修で、とくに苦労されたポイントはありますか?


トリダモノ:やはり、顔です。こだわりを持つ部分ですので納得いくまで何度もお願いしたいのですが、やはり人と人のやり取りですから、どこまで言うのかに苦労したこともあります。


NOCO:顔のほか髪や服装の色など、その都度苦労しています。また、衣装の薄さがどこまで許されるのか……“どこまで言っていいんだろう?”と悩んだりもしましたね。


トリダモノ:それ、すごいわかります! 最初に提出されるものは、だいたい衣装が厚めに作られているんです。それはフィギュアとしての耐久度の問題もあったりすると思いますが、これ以上薄くできないという限界なのか、それとも厚めに作ってしまったのかが見ただけではわからなくて。


NOCO:あるある、ですね(笑)。KT model+さんのソフィーの場合はコートのフリル部分が厚めになっていたので、薄くしてもらったりしました。



KT model+:――KT model+の監修において、印象に残っていることはありますか?


NOCO:私たちに提出される前に、細かいパーツのデザインが間違っている点を、あらかじめ監修前に指摘を入れてくれるのがありがたかったです。


トリダモノ:あれはありがたいですね。まず原作のデザイン設定との違いを指摘してくだるのはとても助かりました。コーエーテクモゲームスのフィギュアブランドであるKT model+さんだからこそ、なのかもしれません。


NOCO:ちなみにKTmodel+さんから発売されたソフィーとラミゼルのフィギュアですが、もとのイラスト自体は別々のシーンと言いますか、単体で見てもらうためのイラストでした。フィギュアではソフィーとラミゼルを並べて飾ったときの身長の差なども含めて、ふたりでバランスよく飾れるようにしていただきました。



――トリダモノさんはソフィーたち、NOCOさんはライザのフィギュアを見ていかがですか?







トリダモノ:キャラクター造形は、やはり素晴らしいですね。顔もカワイイですし、イラストの再現度も高いです。またソフィーの本やラミゼルの装飾品など、小物類も素晴らしいですね。


NOCO:小物類をしっかり作ってくださると、世界観がしっかりするのでいいですよね。「ライザ」もキャラクターそのものは当然素晴らしいのですが、台座の木箱とか、あとは写実的なリンゴになっているのもいいですね


トリダモノ:リンゴはフィギュアで見たときに、写実的なリンゴにしたほうがいいだろうとこだわったポイントです。ただ、取り外しできるようになっていることは、後で知ったので驚きました(笑)。



KT model+:――自分たちがデザインしたキャラクターがフィギュアになる際は、どんなお気持ちなのでしょうか?


トリダモノ:とても光栄で、ありがたいです。毎回、よくぞここまで素晴らしいものを作ってくださいましたと、喜んでいます。


NOCO:ありがたい以外の言葉が見つからないくらい、うれしいです。

 監修作業を通して、フィギュア制作は多数のスタッフが関わって、そしてものすごい労力を掛けていることが、より分かるようになりました。本当に作ってくださってありがとうございます。


トリダモノ:制作の手間もそうですし、材料の調達やカラーリングですとか、本当にすごい労力が掛けられています。どうしても高価なものにはなってしまいますが、だからこそ僕たちも監修を通して、できるだけファンの方々に喜んでもらえるように努力しています。


NOCO:造形物としてのよさを見て買ってくださる方々もいると思いますが、きっと「アトリエ」シリーズに愛を持って買ってくださる方々も多いと思うので、その愛に応えられていたらうれしいですね。



KT model+:――せっかくなので、おふたりどうしで質問してみたいことはありますか?


トリダモノ:うーん……では、NOCOさんはオリジナルイラストでフィギュアを作ってみたいと思ったりしますか?


NOCO:それはやったことがないので、ぜひやってみたいですね!


トリダモノ:せっかくですからKT model+さんにお願いしてみましょうよ(笑)。


NOCO:ぜひ(笑)。もし作るとなったら、私の“デザイン的に大好き”だけを詰め込んだフィギュアを作ってみたいですね。トリダモノさんは、オリジナルイラストのフィギュアもありますよね?


トリダモノ:ありますね。ただ、僕の趣味の絵をフィギュア化していただいているので、フィギュア化前提のデザインはまだ作ったことがありません。もしやるとなったら、シリーズものをやってみたいですね。コレクションしたフィギュアを見て、その世界観全体がわかるようなものを、いつか作ってみたいです。



KT model+:――最後に読者の方々へ、メッセージをお願いします。


NOCO:フィギュアは飾ったときに自分の家にキャラクターがいると思えることが、私から見た魅力だと思っています。フィギュアだからこそ味わえる感覚ですが、その対象に「ソフィー」たちを選んでくださった方々には、本当に感謝をお伝えしたいです。皆さんの愛にお応えできるように、今後も機会があれば協力させていただければと思います。


トリダモノ:ライザのフィギュアはたくさん発売されていますから、集めるのはたいへんです。そんな中、1体でもライザのフィギュアに関心を持っていただけるだけで、十分僕はうれしいです。これからも努力して監修などをしていきますので、もしよろしければ手に取ってみてください。



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